PNAS誌に陳さん(留学生)の論文が掲載されました
お知らせ総合
Title: Reactive granulopoiesis depends on T-cell production of IL-17A and neutropenia-associated alteration of gut microbiota
好中球減少が遷延すると、T細胞からのインターロイキン17A(IL-17A)産生が生じ、IL-17Aはさらなる顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)の産生を促進し、骨髄での反応性好中球造血を刺激して好中球回復を促進することが分かりました。このT細胞の反応や反応性好中球造血は、腸内殺菌を行うと抑制され、好中球減少時の腸内細菌叢を、16S rRNA遺伝子シーケンスにより検討したところ、好中球減少が遷延すると腸内細菌叢が変化することが判明しました。この好中球減少によって誘導された腸内細菌叢は、別の好中球減少マウスに糞便移植の形で移植すると、定常状態の腸内細菌叢よりも、IL-17Aの産生や反応性好中球造血を効率よく刺激できることが分かりました。
この結果から、化学療法や造血幹細胞移植後に、好中球造血を促進する菌を保つ抗生剤の使用法や、好中球造血を刺激するプロバイオティクスや菌叢移植法の開発に繋がることが期待されます。
北海道大学Press release
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