ご挨拶・沿革

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ご挨拶

北海道大学医学部血液内科は、従来のナンバー内科制から臓器別診療科への集約・再編に伴い、さまざまな変更を経ながら最終的に2012年1月今村雅寛前教授のもとに“新生”血液内科として新たなスタートを切りました。 2012年8月に私が第2代教授として今村前教授よりバトンを引き継ぎました。 北海道大学病院開設以来の長い脈々たる歴史を有する血液内科の伝統とフロンティア精神を引き継ぎ、より高いステージの血液内科へと展開します。

私たちの使命は、一人一人の患者さんの診療を大切にし、地域の医療を守りながら、同時に世界的な医療の発展に貢献するような高いレベルの臨床研究、基礎研究を推進していくことです。そのために、患者さんの味方として、心・人生を支える確固たる姿勢をもち、同時に疾患を科学的に徹底して分析する姿勢を持ち、尊敬され感動を与える医師を育てたいと考えています。

私がなぜ血液内科医を選んだのかお話します。医師は経験を血として成長していきます。 血液疾患では他の多くの疾患と異なり、診断・治療の大部分が血液内科医ひとりの双肩にかかってきます。責任重大ですが、患者さんとの強い信頼感、連帯感が生まれ、医師としての達成感、生きがいを強く感じることができます。 さらに最も高いレベルでの全身管理、トータルケア能力が要求され、臓器別診療の垣根を越えた総合内科医としての実力も身に付きます。 また分子標的療法、移植療法など。基礎研究の成果の臨床応用を目の当たりできるのも血液内科ならではです。

私たちはプロフェッショナルな集団として一丸となって血液疾患の患者さんたちを全力でサポートいたします。 また現在の医療レベルの限界を打破するために基礎研究・臨床研究にも力を入れていきます。 これらの目標を達成するため、明るく、自由度が高く、外に開かれ、一人一人のスタッフの夢を実現できるような“新生”血液内科を目指しています。 若き情熱にあふれた皆様の教室への参加を心よりお待ちしています。

北海道大学 血液内科 教授
豊嶋崇徳(てしまたかのり)

血液内科学教室沿革 北海道大学大学院医学研究院 血液内科学教室(北海道大学病院 血液内科)

血液内科学教室の変遷

当分野は登別分院の廃止に伴い平成8年5月11日に新しく開設された加齢制御医学講座を母体として発足しました。平成9年11月16日付けで当時内科学第三講座助教授であった今村雅寛先生が初代教授として着任し、加齢制御医学講座という名称ではありましたが、今村雅寛教授の専門である血液内科学を中心に臨床、教育、研究を行い、特に同種造血幹細胞移植の治療成績の向上と、その大きな合併症である移植片対宿主病の病態解明とその制御、および移植片対腫瘍効果の効率的誘導などの移植免疫に関わる研究に力を傾注してきました。また北海道大学医学部附属病院においては、平成11年4月1日より血液内科としての診療を開始しました。その後、平成12年4月からは北海道大学大学院医学研究科癌医学専攻癌制御医学講座遺伝子制御医学分野、平成15年4月からは、医学研究科癌診断治療学講座血液内科学分野、平成19年4月からは医学研究科医学専攻内科学講座血液内科学分野、平成29年4月から北海道大学大学院医学研究院内科系部門内科学分野血液内科学教室と大学院大学の組織改革とともに名称としては何度か変遷しているものの、血液内科学を専門とする臨床、教育、研究を行っているという点に関しては首尾一貫しています(血液内科学教室の歩みを参照)。

同門会

平成15年より笠井正晴先生を初代会長(平成15年〜平成19年)として血液内科学教室同門会が発足した。その後、森岡正信先生(第2代会長:平成19年〜平成24年)、福原敬先生(第3代会長:平成24年〜平成29年)、黒澤光俊先生(第4代会長:平成29年〜令和3年)を経て、現会長である橋野聡先生(第5代会長:令和4年〜現在)のもと179名の同門会員から構成されています(令和6年4月現在)。創設されてからまだ歴史の浅い教室ではありますが、それ故に若手の先生が自由闊達に歴史を創っていける良さがあると思います。

(文責: 白鳥 聡一)

血液内科学教室の歩み

1923年 北海道大学医学部 内科学第二講座開講
1947年12月 北海道大学医学部 内科学第三講座開講
1948年4月 北海道大学医学部附属病院 第三内科診療開始(消化器病グループと血液病グループ)
1956年 北海道大学医学部 第二内科 血液グループ誕生
1997年11月 北海道大学医学部 加齢制御医学講座(今村雅寛 初代教授)
1999年4月 北海道大学医学部附属病院血液内科 I へ名称を変更
2000年4月 北海道大学大学院医学研究科癌医学専攻癌制御医学講座 遺伝子制御医学分野
2003年4月 北海道大学大学院医学研究科癌診断治療学講座 血液内科学分野
2007年4月 北海道大学大学院医学研究科医学専攻内科学講座 血液内科学分野
2009年6月 血液診療外来における新患枠を第二内科、第三内科、血液内科 I から「血液内科」に統一
2010年9月 血液診療外来における再来枠を第二内科、第三内科、血液内科 I から「血液内科」に統一
12階の27床を無菌病床化
血液疾患の病棟診療を第二内科、第三内科、血液内科 I から「血液内科」に統一
2011年8月 血液内科への職員配置転換(助教3名、講師1名、准教授1名、教授1名体制となる)
2012年1月 血液内科の固有病床が4床から36床(+完全無菌室4床)へ
2012年8月 血液内科学分野 第2代教授 豊嶋崇徳 就任
2017年4月 北海道大学大学院医学研究院 内科系部門内科学分野 血液内科学教室
2018年5月 北海道大学病院の病棟再編に伴い、血液内科の固有病床が36床から40床(+完全無菌室4床)へ

現在に至る